2023/05/18

第45回学生設計優秀作品展 作品紹介[3]

Melting Point
- 日本人と外国人が共存する国際ニュータウン -

デザインファーム建築設計 昼間部建築設計スタジオ 柴田和宏

[作品データ]
建物用途:集合住宅
敷地所在地:東京都江戸川区

[制作データ]
作品総点数:模型1点、図面4枚
制作期間:構想 - 2か月、制作 - 2週間
主な模型材料:スチレンボード、バルサ、ひのき角材など

[設計主旨]
現在の日本では、人口減少、少子高齢化による経済縮退が深刻な状況となっており、各業界において人手不足等、本格的な人口減少時代の到来を迎えている。このような状況下において、日本経済を持続的に成長させ、日本の人口を維持していくためには、近未来、日本の活性化を手助けしてくれる大規模な移民の人たちの受入が急務になると考える。そこで、日本に移り住んできた外国人の家族が安心でき、一早く日本社会に馴染んでいくきっかけとなる住まいを提案する。住まいはおもてなしをする日本人家族と日本に移ってきた外国人家族の集合住宅となっており、住居機能と食文化 を愉しむ公共的機能を合わせ持つ空間となっている。「食」を通して様々なアクティビティを体験し、人種を超えた人々の交流を育む。

[推薦のことば]
デザインファーム建築設計スタジオ 代表 牧野 徹

日本の少子化が止まらない。人口の減少が止まらない。5、6千万規模の国家の経済構造への移行を目指さないのなら人口維持は必須。とすれば残るは移民に期待し一億二千万の人口を維持する以外に方法はない。そういうわけで近未来の移民増加を見据えたテーマである。また設計者の前職に於いて外国人の後輩を指導した経験もこのテーマに血を通わせた。欧米、東アジア、中東、南米他様々な移民を短期から中期滞在させ日本文化に慣れさせ送り出す。そしてそれを迎えるチューター達の存在、これらが日本文化を核とする新たな混沌とした文化を形成する。一般に移民は人種や宗教ごとに集まり溶け合わず、それぞれ分離したモザイクをつくり出すが、ここではお互いを尊重し溶け合う文化の形成を目指す。そのための場の設定、路地の構成、壁量のコントロールによる内外の関係などよく練られている。平面のつじつまではなく立体での設計ができた作品だ。



第45回学生設計優秀作品展 作品集から
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